お腹や太ももに白っぽい線が浮かんでいるのを見て「これって妊娠線？それとも肉割れ？」と戸惑ったことはありませんか？
どちらも皮膚にできる線状の跡ですが、発生するきっかけやできやすい部位には違いがあります。
本記事では、妊娠線と肉割れの違いや原因、予防・ケアの方法まで詳しく紹介します。
さらに、すでにできてしまった線を「目立たなくする」ための美容医療のアプローチについても解説しているので、気になる方はぜひ最後までお読みください。
「妊娠線や肉割れ」が気になっている方へ。
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妊娠線と肉割れのメカニズムは同じ
妊娠線や肉割れは、どちらも見た目には似たような皮膚の変化であり、そのメカニズムは同じです。
妊娠線や肉割れのことをストレッチマークともいいます。
皮膚の奥には「真皮（しんぴ）」という層があり真皮は、肌の弾力やハリを保つために欠かせないコラーゲンやエラスチンといった繊維から成り立っています。
通常、皮膚はある程度の伸縮に耐える構造をしていますが、短期間で急激に体が大きくなると、この真皮がその変化に追いつけずに裂けてしまうのです。
かねりここの断裂によって線状の跡が残るのが、妊娠線や肉割れです。
妊娠線と肉割れの違い
妊娠線と肉割れはメカニズムは同じですが、発生するきっかけや部位などが異なります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
妊娠線とは
妊娠線は、ホルモンバランスの変化と皮膚の急激な伸展が原因で、妊娠期間中のみ発生します。
特にお腹、胸、太ももなど、体が大きく膨らむ部分に現れやすいです。
妊娠中に増加するホルモン（エストロゲンとプロゲステロン）と副腎から分泌されるステロイドホルモンが、皮膚の弾力や水分保持を低下させるため、皮膚が引っ張られた際に繊維が断裂しやすくなります。
また、妊娠35週以降になると、赤ちゃんの成長スピードが増し、それに伴いお腹も一気に膨らみます。
この急激な変化に皮膚がついていけなくなり、弾力を保っていたコラーゲンやエラスチンが断裂し、妊娠線が現れるのです。
大きくなったお腹で下の方が見えないので、ケアしているつもりでもお腹の下部まで手が届いていないこともあります。
妊娠線は肌にくっきりとした溝のような凹みが生じることが多く、時間が経っても完全に消えるのは難しいとされています。
肉割れとは
肉割れは、急激な体重変化や筋肉の成長など、妊娠以外の要因で皮膚が急激に引き伸ばされて真皮が断裂することで起こり、年齢や性別に関係なく発生する可能性があります。
たとえば、思春期に身長が急激に伸びる、筋トレで筋肉が短期間で大きくなる、急激に体重が増えるなどしたときに発生します。
成長期には太ももやお尻、背中や二の腕に、筋トレによる場合は肩や上腕などに現れやすいです。
妊娠線・肉割れの予防とケア方法
妊娠線と肉割れは、発生のきっかけや部位が異なるため、予防とケア方法も異なります。
それぞれの予防とケア方法について詳しく見ていきましょう。
妊娠線のケア
妊娠線の予防とケアには、日々の積み重ねがとても重要です。
できてしまった妊娠線も、適切にケアをすれば赤みは半年〜1年かけて徐々に落ち着いていきますが、以下の点には注意しましょう。
急な体重増加を避ける
まず心がけたいのは、急激な体重増加を避けることです。
妊娠中は赤ちゃんの成長に合わせて体が大きく変化しますが、無理のない範囲で体重管理を行うことで、皮膚への過剰な負担を減らすことができます。
掻かない
妊娠後期になると、皮膚が引き伸ばされてかゆみを感じることもありますが、ここで掻いてしまうと繊維が傷つき、妊娠線ができる原因になってしまいます。
【妊娠中のかゆみ、絶対に掻いちゃダメ】
— かねりこ。肉割れ妊娠線の治し方。 (@stretchmarks_ns) February 25, 2025
掻くとこうなる↓
・皮膚の繊維が傷ついて妊娠線の原因に
・炎症を起こして色素沈着しやすくなる
・掻けば掻くほど、もっとかゆくなる悪循環 ←よくあるからホント注意。
かゆくなったら…
→とにかく保湿。オイル＋クリームでWケア
→… pic.twitter.com/pmDZt2cr7h
かゆみを感じたら、保湿を徹底し、冷やしましょう。
優しくなでたり、刺激が少ない下着に変えたりすることもかゆみ対策になります。
かねりこ抗ヒスタミン成分の入った軟膏はかゆみを抑えるのに有効ですが、ステロイド系は長期使用で皮膚を薄くしてしまう可能性があるため、使用は避けるのが安心です。
ストレッチマークがかゆい原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事：肉割れがかゆい原因を身体の5つの部位別に解説！かゆい時の対処法
しっかり保湿をする
乾燥によってバリア機能が低下すると、かゆみの悪循環に陥りやすいため、オイルとクリームを併用したW保湿で肌を守りましょう。
妊娠線には、妊娠中からの保湿ケアが有効です。
特にビタミンEやコラーゲンを含むクリームを使用して、肌の弾力を保つことが推奨されます。
かねりこ「レジストリル」を含むクリームは妊娠中に使用することができ、妊娠線の予防に効果的です。
肉割れに悩む人に届いてほしい。
— かねりこ。肉割れ妊娠線の治し方。 (@stretchmarks_ns) March 5, 2024
「肉割れクリームにはレジストリル」と口酸っぱくして言っている理由。
結局のところレジストリルの何がすごいのか？徹底解説します。
1、『肉割れさせない』
〜とにかく真皮を断裂する可能性のある酵素を阻害する〜… pic.twitter.com/Xwhub8Egq2
むくみ対策
妊娠中はむくみにも要注意です。子宮が血管を圧迫することで下半身の血流が悪くなり、浮腫みやすくなります。
このむくみが皮膚を押し広げることで、妊娠線ができやすくなることもあるため、マッサージや軽い運動、塩分を控えた食生活などでむくみ対策をしておくことが大切です。
妊娠中のママさん必見！
— かねりこ。肉割れ妊娠線の治し方。 (@stretchmarks_ns) March 24, 2024
あし、むくんでない…？🦵⚡️
実は結構多い「むくみ」による肉割れ。
妊娠中にできるちゃう可能性大！
「妊娠線の予防はバッチリだよ」って思ってても油断は禁物。
妊娠中は子宮が太もものつけ根にある太い血管を圧迫するため、血流が悪くなり下半身が浮腫みやすくなる。… pic.twitter.com/3jsJdR4TMt
タンパク質の摂取
コラーゲン生成に必要なタンパク質を意識して摂ることも、肌の柔軟性を保つ上で欠かせません。
バランスのよい食事を心がけましょう。
肉割れのケア
肉割れのケアは、肌の状態を整えつつ、負担の少ない方法でじっくり取り組むことが大切です。
肉割れのケア方法は下記のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
体重管理
肉割れを予防・改善するうえで重要なのが、体重のコントロールです。
短期間で体重が急激に増えると、皮膚の深い部分にある真皮がその伸びに耐えきれず裂けてしまい、結果として肉割れが生じます。
特に運動習慣のない人や、もともと皮下脂肪が厚めの人は、皮膚が伸びにくいため、肉割れのリスクが高まります。
無理な減量や急激な増量を避け、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせながら、緩やかに体重を維持していくことが大切です。
栄養バランスのとれた食事
肌の再生力を高め、肉割れを防ぐためには、内側からの栄養補給が欠かせません。
真皮の主成分であるコラーゲンの材料となるタンパク質は、毎日意識的に摂取することが求められます。
さらに、コラーゲン生成に欠かせないビタミンCと一緒に摂ることで、肌の弾力性や修復力が高まり、肉割れができにくいしなやかな肌をつくることができます。
その他にも、ビタミンEやビタミンB群といった栄養素も肌の代謝や血行を促進し、健康な皮膚環境の維持に貢献します。
赤身の肉や魚、大豆製品、新鮮な野菜など、さまざまな食品を取り入れた食生活を心がけることが、結果として肉割れ予防につながります。
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保湿ケア
皮膚の乾燥は、肉割れができる大きな要因の1つです。
乾燥によって真皮の柔軟性が失われると、外部からの引っ張りに対する耐性が落ち、断裂が起きやすくなります。
そのため、日頃からの保湿ケアが重要です。
専用の肉割れクリームや保湿オイルを使って、肌をやわらかく保つことを習慣にしましょう。
かねりこ赤みが残る肉割れの初期段階には、レジストリルやレチノールといった成分を含んだクリームを使用することで、肌の修復を助ける働きが期待できます。
摩擦によってかえって皮膚を傷つけてしまう恐れがあるため、肌になじませるようにやさしく塗るのがポイントです。
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— かねりこ。肉割れ妊娠線の治し方。 (@stretchmarks_ns) March 2, 2024
「やってはいけない」肉割れ予防のマッサージ
肉割れができやすいからって痛いくらいマッサージしてる人。
今すぐやめて。
逆に皮膚を引き延ばして肉割れを発生させてるかも…… pic.twitter.com/zKALoyPaFV
妊娠線・肉割れを目立たなくする方法
妊娠線・肉割れを目立たなくするための治療法は下記のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、肌にレーザーを照射して肌の再生を促す治療法です。
極めて小さな点状のエネルギーを真皮に照射することで熱変性を起こし、コラーゲンやエラスチンを活性化させ、肉割れ部分の真皮の再生を図ります。
肉割れのように断裂してしまった真皮の組織が少しずつ修復され、凹凸や白っぽさが目立たなくなっていきます。
施術を受けるたびに肌の10〜15％ほどが新しい細胞に入れ替わるとされており、理想的な変化を得るには約10回前後の施術が必要といわれています。
ダーマペン
ダーマペンは、肌にごく微細な針で穴をあけることで、皮膚の自己回復力を高める治療です。
この「わざと傷をつける」アプローチによって、私たちの体は傷ついた部分を修復しようと働き始めます。
その過程で、肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが活性化し、新しい皮膚の再生が促されるのです。
肉割れが生じている真皮層にアプローチすることで、断裂した繊維の修復が進み、肌の凹凸や色味が徐々に馴染んでいきます。
ポテンツァ
ポテンツァは、肌表面に非常に細かい針を一定の深さで挿入し、その針先から真皮層へ直接高周波エネルギーを届ける方法です。
針が真皮の上層に微細な傷をつけることで、肌の「治そうとする力＝創傷治癒力」が働き始め、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを支える成分が活性化します。
さらに高周波の熱エネルギーが加わることで効果が高まります。
ヴェルスカー
肉割れや妊娠線を目立たなくする新しい選択肢として注目されているのが「ヴェルスカー（Veilscar）」です。
ヴェールをかけるように自然な仕上がりを目指す治療法で、肌の表面ではなく、目立つ凹みや色味が気になる患部の内部に微細な傷を無数に与えることで、人間本来の自然治癒力を引き出し、凹みや白っぽさをなじませていきます。
また、色味の改善にも働きかけ、肌の色素細胞に働きかけてメラニンの生成を促進し、白く目立つストレッチマークを周囲の肌になじませるよう整えていきます。
ダウンタイムも比較的短く、少ない負担で受けることができる治療法です。
かねりこヴェルスカーは、妊娠線と肉割れの両方に効果がありますが、妊娠中の施術はできません。
施術を受けるには、出産後の赤みが引いた段階、通常は6か月以降が推奨されます。
特に、妊娠線の凹みが深く幅が広い場合、効果を実感するまでに4回以上の施術が必要なことがあります。
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まとめ
妊娠線と肉割れは、どちらも皮膚の深層にある「真皮」が裂けることで起こる線状の変化であり、急激な体型変化やホルモンの影響によって生じます。
- 妊娠線と肉割れはメカニズムこそ共通しているものの、発生する原因や部位には違いがある
- 妊娠線は妊娠による体型変化やホルモンの影響で、お腹や胸、太ももなどにできやすい
- 肉割れは成長期や筋トレ、体重の急増などによって、太ももやお尻、二の腕などに現れやすい
- 予防には体重管理・保湿・栄養バランスが重要で、初期の段階でのケアがとても大切
妊娠線と肉割れは異なる原因で発生しますが、どちらも早期のケアが重要です。
適切なケアを行うことで、これらの痕跡を最小限に抑え、肌の状態を美しく保つことができます。
自分に合ったケアを取り入れて、より自信の持てる肌を目指しましょう。
